すかがわ空想フェス2024とは
円谷プロと須賀川市は、東日本大震災の復興支援をきっかけに、2013年より各種事業を通して協力体制を築き上げてきました。そして昨年2023年に締結された提携協定により、「空想の力」を育むまちづくりのため、継続的かつより一層発展的な活動に取組んでいます。
その取組みの一環として、須賀川市と福島県とともに「空想の力を育むまち」プロジェクト「すかがわ空想フェス 2024」を開催することとなりました。
イベントが開催された2日間では、ライブステージやグリーティングからパネルディスカッションまで、子どもも大人も「空想」に胸を躍らすような企画を展開し、須賀川市内と福島空港に多くのウルトラマンファンが訪れました。
オープニングイベント レポート 開催日:11月16日(土)
6日(土)に開催されたオープニングイベントでは、一般参加者と数多くの来賓が見守るなか、須賀川市大寺正晃市長の挨拶にはじまり福島県佐藤宏隆副知事による内堀雅雄知事のメッセージ披露、および円谷プロダクション代表取締役会長兼CEO塚越隆行の開幕メッセージが披露され、初開催イベント「すかがわ空想フェス2024」が開幕しました。
その後、今夏開催された”かいじゅうと●●”をテーマにしたイラスト作品募集企画「空想作品募集」応募作品より、須賀川市長が選んだ特に空想力が溢れる作品の発表が行われました。須賀川市内の小学生・中学生の応募723点のイラストの中から、市長が選んだ4作品を制作した生徒たちが登壇し、記念品のプレートが贈呈されました。記念品を受け取った生徒たちは緊張している様子ながらも受賞について喜びや感謝のコメントを述べました。その後、フォトセッションにはウルトラマン、ウルトラセブンが登場し和やかな雰囲気のなか記念撮影が行われました。
<「空想作品募集」発表登壇者(学年順)>
阿武隈小学校6年生 齋藤遥さん/第三小学校4年 斎藤椛さん/西袋第一小学校3年 卯木心都さん/柏城小学校2年 加藤陽向さん
ウルトラ6兄弟 THE LIVE 開催日:11月16日(土)・17日(日)
須賀川市の公演で初上演となった「ウルトラ6兄弟 THE LIVE ウルトラマン編 〜空想は星空の彼方へ〜」では、『ウルトラマン』第15話「恐怖の宇宙線」をベースにした、ドラマチックなストーリーと演出によるライブステージを上演しました。
地球とは少し違う「世界」で宇宙人の少年たちが空想した怪獣が現実になって現れ、ハヤタ隊員や大人たちを巻き込みながらも空想を広げていくというストーリーです。劇中には、先日デザイン画が公開となった人気怪獣ガヴァドン(初出は1966年放送『ウルトラマン』)の新形態「ガヴァドン(C)」が登場しました。「ガヴァドン(C)」はストーリーに登場する宇宙人の少年の空想によって生まれたという設定で、デザインも、実際に子どもが描いた絵を参考にして制作されました。
また、フィナーレでは「ウルトラ6兄弟 THE LIVE」シリーズの進化したステージをお届けしました。ウルトラ6兄弟やウルトラマンアーク、ウルトラ怪獣が、パフォーマーとともに登場し、LDH所属の平沼紀久さん、PATOさんの演出によるパフォーマンスを行いました。空想の力、「ファンタクリエーション」 と、勇気・希望・思いやりをテーマに、これまでの公演にはなかったLDHならではのダンスの要素やLED演出を取り入れた大迫力のフィナーレとなりました。
空想ミーティング 開催日:11月16日(土)
第1部の「怪獣マエストロと空想」では、円谷プロの造形師 品田冬樹が円谷プロダクション創業者・円谷英二の「空想の力」の魅力とともに、造形師の仕事について語りました。「空想作品募集」応募作品の講評や、一般来場者からの質問を交えながらの手がけた造形の仕事について語りました。
第2部の「空想をめぐる対談」では、「ほぼ日刊イトイ新聞」や「ほぼ日の學校」などを通じて様々なコンテンツの企画、開発を手掛ける糸井重里さんと、歴史を面白く学ぶ「コテンラジオ」を配信する深井龍之介さんが、空想をテーマに様々なトークを展開しました。
糸井さんは、概念やイメージは「空想」とニアリーイコールと語り、他者との向き合い方や社会を形作る「思いやり」も「空想」が関係しているとコメントしました。深井さんは自身が学んでいる歴史は、「空想」から研究を進めることが多い学問なのではないかと語り、日本史や仕事をしているうえでの出来事で分かりやすい例を交えながら「空想」を考えることができるトークを広げました。
空想シアター 開催日:11月17日(日)
『ウルトラマン』第15話「恐怖の宇宙線」上映会と、スペシャルゲストにクリエイティブディレクター 箭内道彦さんをお招きして「空想」をテーマにした無料のトークイベントを開催しました。福島県郡山市出身の箭内さんは、「円谷英二監督という偉大なクリエイターが、自分と同じ福島の空気で生まれ育ったという事実がうれしい」と、福島県への愛を存分に語りました。また、今回のモデレーターで特撮ファンとして知られるミュージシャン、タカハシヒョウリさんと雑学を交えて「恐怖の宇宙線」や怪獣「ガヴァドン」の魅力を語り、空想に想いを馳せるトークとなりました。
イベント概要
タイトル:「すかがわ空想フェス 2024」
開催日時:2024年11月16日(土)・17日(日)
場所: 須賀川市文化センター、須賀川市民交流センター tette、須賀川市役所 ほか
実施目的:
・ 須賀川市民の“協定の意義理解・共感”、ならびに郷土愛や機運の醸成を図る
・ 全世界に向けて、須賀川市を“空想の力の聖地”として認知させる
・ 全国・世界からの来訪者に “地域の創造性”を訴求する
公式サイト:https://kusou.m78-sukagawa.jp
主催: 須賀川市/円谷プロダクション/福島県
「空想の力」とは(円谷プロダクション 創立60周年記念日に発表)
少年時代、円谷英二監督は家の近くのお寺の木に登り、空を見上げて飛行機乗りになることを夢見、想いを馳せていたと言われています。
その後、英二監督と監督の許に集った若者たちは、その自由な「空想の力」で珠玉の作品群をつくりました。
私たちは英二監督が遺してくれた特撮という文化と技術、ウルトラマンを始めとする素晴らしい世界観を持つ作品群、そして何よりもその活動全ての源泉である「空想の力」を大切にします。
そして、多くのみなさまに空想の世界を楽しんでいただける限り、私たちは「空想の力」を円谷プロダクションの核となる価値ととらえ、これからもみなさまに楽しんでいただける作品と世界観を創り出してまいります。